(1) 12の回心のための詩篇 (1988) (2) 3つの聖歌 (1984)
※録音:2015年2月/イエス・キリスト教会(ベルリン)/54’ 49” ---------- 「12の回心のための詩篇」は1988年、ロシアのキリスト教受洗千年祭を記念して書かれました。旧約聖書のアダムが楽園を追われてから回心するまでのいきさつを描いています。古いロシア聖歌を基本にしながらも、シュニトケならではの不協和音や対位法を駆使して斬新。人声の表現力の豊かさに驚かされます。興味深いのは、この作品に取り組んでいる際にいくつか疑問が生じ、作曲家デニーソフの先妻が所有していた自筆譜を見ることができ、出版の際にヴィクトル・ススリンが行った変更を元に戻しての原典版初録音となりました。「3つの聖歌」は1984年に、当時国立シンフォニー・カペレ合唱団の指揮者だったヴァレリー・ポリャンスキーの依頼で作曲したもので、ソ連時代ながらロシア聖歌の様式にのっとっているのが斬新。 どちらも教会スラヴ語による歌唱。現在ドイツ合唱界を牽引するハンス=クリストフ・ラーデマンの見事なバランス感覚が光ります。
ハンス=クリストフ・ラーデマン(指揮) RIAS室内合唱団
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