1. ピリンスキー・ヤーノシュの5つの詩(Cinq poemes de Janos Pilinszky) 2. 4つの宗教的な詩(Vier geistliche Gedichte) 3. 消え去った世界(バビロンへのフラグメンツ)(Monde evanoui (Fragments pour Babylone)) 4. カンタータ第4番「来たれ、イエスよ、来たれ」(Cantate n° 4 ≪ Komm, Jesu, Komm ≫)
※録音:2014年11月、2015年2月/ルーアン、ルーアン・ノルマンディー・オペラ ---------- 人気合唱グループ、アクサンチュス。前作の「モーツァルト:レクイエム」(V.5370/ KKC.5405)も高い評判となりましたが、ここで久々の現代作品の登場となります。作曲家マントヴァーニ(1974年フランス生まれ)といえば、ケラスもその作品を愛奏するほか、シカゴ響、パリ管、NHK 交響楽団なども彼の作品を演奏しているなど、まさに世界で活躍する作曲家。2010年に異例の若さでパリ国立高等音楽・舞踊学校院長に就任しています。様々な国際作曲コンクールで優勝するほか、2010年にはベルリン・フィルからクラウディオ・アバド賞を授与されるなど、非常に高く評価されています。2005年、アクサンチュスは「ピリンスキー・ヤーノシュの5 つの詩」をマントヴァーニに委嘱、世界初演を手がけました。その後も両者の交流は続き、ここに収録されているほかの3つの作品も生み出されることになりました。このディスクは両者のコラボレーションの集大成ともいえる存在です。「ピリンスキー・ヤーノシュの5つの詩」は言葉の音節が巧みに活かされた作品。アイヒェンドルフの詩に基づく「4つの宗教的な詩」はどこか日本の声明をも思わせるような雰囲気です。「消え去った世界(バビロンへのフラグメンツ)」は大規模な作品で、ポルナレフにも詩を提供したピエール・グロスの詩に基づいています。最後の消え入るような「バビロン」という言葉が印象に残ります。カンタータ第4番「来たれ、イエスよ、来たれ」はバッハも名作モテットを書いたテクストですが、このマントヴァーニが書いた音楽は非常に切実。アコーディオンとチェロが激しく蠢く通奏低音の役割を果たす上で声楽が焦燥感に満ちた「イエスよ、来てください」と叫びます。マントヴァーニの作風の多様性と、アクサンチュスのテクニックの幅広さをあらためて実感する内容に仕上がっています。
アクサンチュス、ピーター=イェル・ド・ボエル(指揮 1-3)、ロランス・エキルベイ(指揮 4)、ソニア・ヴィーダー=アサートン(チェロ 4)、パスカル・コンテ(アコーディオン 4)
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