ジョージ・バターワース - George Butterworth (1885-1916) : 1. シュラップシャーの若者 ジェラルド・フィンジ - Gerald Finzi (1901-1956) : レクイエム・ダ・カメラ(C. アレクサンダーによる補筆完成版) 2. I. Prelude 3. II. How still this quiet cornfield is to-night 4. III. Only a man harrowing clods 5. IV. We who are left アイヴォー・ガーニー - Ivor Gurney (1890-1937) : 6. トランペット(P. ランカスターによる管弦楽編) レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ - Ralph Vaughan Williams (1872-1958) : 7. オックスフォード悲歌 ---------- これらの作品には、全て第一次世界大戦における大虐殺への悲しみが根底に流れています。4人の作曲家たちはそれぞれ、バターワースのようにその戦いで命を落とすか、多大なる犠牲を払いながら後々の生涯を生きていくことになります。「シュロップシャーの若者」は彼の同名の歌曲集のエピローグとして構想された、人生のはなかさをそのまま閉じ込めたような美しい作品です。歌曲集の中の「最も美しい樹」のメロディが使われた郷愁溢れるメロディは涙を誘わずには入られません。フィンジはこの戦いで彼の最愛の教師アーネスト・ファーラーを失いました。無論彼はそれ以降も波乱万丈の生涯を送るのですが、当時彼は師だけでなく、最愛の家族も失うなど、人生観に大きな影響があったことは間違いありません。この室内レクイエムは恐ろしいまでの静けさに満ちています。未完成で終わった作品ですが、一度はP.トーマスの加筆版が演奏され、高く評価されました。ここではクリスチャン・アレクサンダーによる新版での演奏です。ガーニーは戦場で吸い込んだ毒ガスにより健康を失い、その後半生を病院で送りました。この「トランペット」は人類の愚かさを告発する作品です。そしてヴォーン・ウィリアムスの「悲歌」は、彼の失われた友人のために書かれた作品であり、普段はそういう音楽を書かなかった彼が、晩年になって至った境地を表しているものです。合唱はほとんど言葉を発することなく、物語は語り手によって紡がれていきます。
シティ・オブ・ロンドン合唱団/ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ/ウェットン
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