(1) シュニトケ:3つの宗教曲 (1984) (2) ラフマニノフ:神の母 (1893) (3) グバイドゥーリナ:マリーナ・ツヴェターエワ讃歌 (1984) (4) タネーエフ:ポロンスキーによる合唱曲Op.27より 「星」 「陰気な二つの雲が山にかかり」 「ものうげな海の上にあるとき」 (1911) (5) グリンカ:ヘルビムの歌 (6) チャイコフスキー:ヘルビムの歌〜聖ヨハネ・クリュソストムスの典礼Op.41より
※録音:2013年7月、11月/ SWR フンクスタジオ(シュトゥットガルト)/[ ロシア語(教会スラヴ語)歌唱] ---------- ロシア音楽の魅力のひとつである合唱。ロシア正教は教会内での楽器演奏を禁じているため、聖歌隊教育の歴史がありました。グリンカ、チャイコフスキー、ラフマニノフら大作曲家も個性的な無伴奏宗教曲を残しています。そのほか宗教曲ではありませんが、帝政ロシア末期の1911年に作られたタネーエフ作品の心洗われるような美しさも必聴。さらに、シュニトケとグバイドゥーリナともに1984年の作品も興味津々。シュニトケ作品はチャイコフスキーやラフマニノフの宗教曲の系譜上にあり、彼独特の皮肉やグロは全く見られません。非常にピュアで敬虔、ソ連時代にこのような作品が書かれたことは驚きと申せましょう。グバイドゥーリナの作品は対照的に実験的で演劇的。グバイドゥーリナが崇拝しているロシアの女流詩人ツヴェターエワの詩を驚くほど適確に音楽化しています。クリード率いるシュトゥットガルト声楽アンサンブルはロシアの合唱団とはひと味違う洗練された響きが絶美。アンサンブルが恐ろしく難しいグバイドゥーリナ作品も完璧。
マルクス・クリード(指揮)シュトゥットガルト声楽アンサンブル、中曽和歌子(Sop)、ザビーネ・ツィンツェル(A)、アレクサンドル・ユーデンコフ(Ten)、ミハイル・シャシコフ(Bs)
|