J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2 番ニ短調BWV 1004、ルターのコラール集 ああ 主よ、あなたの愛しい天使に命じて(ヨハネ受難曲BWV 245) パルティータ第2番:アルマンド パルティータ第2番:クラント キリストは死の縄目につながれたり(BWV 4) パルティータ第2番:サラバンド 死に打ち勝てる者は絶えてなかりき(BWV 4) パルティータ第2番:ジグ いつの日かわれ去り逝くとき( マタイ受難曲BWV 244) シャコンヌ[ ヘルガ・テーネのレアリゼーションによる、ヴァイオリンと4声のコーラスのための]
フォーレ:レクィエム
※録音:2012 年5 月ロンドン、セント・ジャイルズ・クリップルゲイト教会( ライヴ)/プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン / エンジニア:ジョナサン・ストークス& ニール・ハッチンソン ---------- 世界的に有名なザ・キングズ・シンガーズの元メンバーで、英国合唱界の大立者ナイジェル・ショート率いる若手の精鋭合唱アンサンブル、テネブレ。「キリストの幼時」「メサイア」の好演も光るかれらが、LSO Live に本格的に登場。ロンドン交響楽団室内アンサンブルとともに、J. S. バッハのコラールほか、メインにフォーレの「レクィエム」を取り上げた注目の内容です。 [好評を博した「シティ・オブ・ロンドン・フェスティバル」のプログラム再演] 2011 年6 月、テネブレとLSO 選抜メンバーによる室内アンサンブルは「シティ・オブ・ロンドン・フェスティバル」に出演、セント・ポール大聖堂でのコンサートは大成功を収めました。これはその翌年2012 年5 月に、すぐれた音響で知られるセント・ジャイルズ・クリップルゲイト教会でおこなわれた同一プログラム再演の模様をライヴ収録したものです。 [J.S. バッハの「コラール」と「シャコンヌ」] プログラムはたいへんユニークなもので、前半のJ. S. バッハでは、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2 番各曲のあいだに、教会カンタータ第4 番「キリストは死の縄目につながれたり」ほか、バッハのコラールを挿み込む構成が採られています。さらに、最大のポイントは終曲「シャコンヌ」で、バッハの旅行中に亡くなった彼の最初の妻、マリアへの“レクィエム” であるという説に依拠して、独奏ヴァイオリンに乗せて当時の教会用コラールからの歌詞が綾なすように歌われるさまが、神秘的な美しさを湛えているばかりでなく、フィナーレとしてもじつに自然で効果的。ちなみに、同じコンセプトの内容には、ポッペンのヴァイオリンとヒリアード・アンサンブルによるアルバムや、モレーノのリュートとカークビーの歌唱によるレコーディングがありましたが、またひとつここに魅力的な演奏が加わりました。なお、ここでみごとなヴァイオリン独奏を披露するのは、LSO コンサートマスターのゴルダン・ニコリッチ。師カントロフゆずりの折り目正しいアプローチがまさしくこうした内容にぴったりです。 [テネブレ待望のレパートリー、フォーレの「レクィエム」] テネブレは、しばしばロウソクの灯りのみが燈された空間で歌い、アレグリやヴィクトリア、タヴナーの宗教作品や、プーランクの声楽曲などにおいて、とびきり透明度の高い歌唱を聴かせてきたのはすでによく知られるところで、繊細な表現と美しいハーモニーの安定感は折り紙つき。フォーレのレクィエムは声楽曲の最重要レパートリーのひとつにもかかわらず、テネブレによるレコーディングはこれまでなかったので、その演奏内容にはひときわおおきな期待がかかります。また、意外なことに、LSO にとってもフォーレのレクィエムは、1982 年にチェリビダッケが指揮したロイヤル・フェスティバル・ホールでのライヴ演奏(BBC 収録・正規未発売) くらいしかなかったので、その意味でも貴重な内容といえるでしょう。ここでは時期の異なる3 つの版うち、ジョン・ラターによる第2 稿の校訂版(1984 年) に拠る演奏となっています。
ゴルダン・ニコリッチ(ヴァイオリン)、グレース・デイヴィッドソン(ソプラノ)、ウィリアム・ゴーント(バリトン)、テネブレ合唱団、ナイジェル・ショート(指揮)、ロンドン交響楽団室内アンサンブル
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